全国で相次いでいるクマの被害に関連し、群馬県渋川市は6日、本年度は9月末までに市内で捕獲したツキノワグマが17頭に上ったと発表した。過去10年で年間を通じて最多だった2020年度の10頭を大きく上回った。市は捕獲地点が市内のほぼ全域に広がり、市民の生活圏に出没する恐れもあるとして、十分な注意を呼びかけている。

 市環境森林課によると、有害鳥獣対策として市が大型のおりで捕獲した頭数を集計した。昨年度までの10年間の捕獲頭数は、年間1~10頭で推移していた。昨年度の年間3頭と比較すると、本年度の多さは際立っている。同課は「そもそも市内でクマが多く出没するという認識はなかった」としている。

 本年度の地区別の捕獲状況は、渋川と伊香保、子持、赤城の各地区がいずれも4頭、小野上地区は1頭と、ほぼ全域に広がっている。北橘地区は0頭だった。渋川地区の捕獲地点はいずれも山沿いで、市街地は含まれていないという。

 餌となるドングリ(堅果類)について、県鳥獣被害対策支援センターは、今年は2年連続で「不作」とする調査結果を明らかにしている。市は餌不足が本年度の捕獲頭数の増加を引き起こしているとみている。

 県内では10月、東吾妻町で散歩中の80代女性が襲われて重傷を負った。本年度は5、6月の2件と合わせ、これまで3件の人身被害が確認されている。市は本年度の捕獲状況を踏まえ、人身被害に遭わないよう、市内でも警戒を強める必要があるとしている。

 市は目撃したり遭遇したりした場合の対応を、ホームページで公開中。目撃情報は防災行政無線やメールで提供している。