クイズブームをけん引する東大発の知識集団「QuizKnock」のメンバーで、動画への出演やライターとして活躍する乾さん(23)=富岡市出身。クイズを通して「学ぶことの楽しさ」を発信している乾さんに、受験の思い出や受験に臨む高校生へのメッセージを聞いた。

いぬい

1999年、富岡市出身。高崎高-東大経済学部卒。2018年より動画編集者としてQuizKnockに参加し、多数の動画を担当。現在はYouTube動画に出演するほか、テレビ番組『クイズほぉ~スクール』にレギュラー出演、『Qさま!!』の出演経験もある。

 

―YouTubeのチャンネル登録者数は200万人を超え、幅広い世代から人気を集めるQuizKnock。乾さんの役割は。

 動画に出演しているほか、QuizKnockのウェブメディアのライターとして記事の執筆や動画編集なども行っている。また、QuizKnockを運営する株式会社batonに所属し、データ分析も担当。どのような動画が人気かといったことを分析し、動画の企画も考えている。

 

―東大在学中からメンバーとして活動している。加入のきっかけは。

 QuizKnockは、高校生の時からYouTubeやテレビを通じて知っていた。大学で地方の高校生の進学をサポートする学生団体に所属しており、そこでQuizKnockのメンバーで同じ群馬県出身のこうちゃんと出会った。こうちゃんから動画編集のアルバイトを募集していると誘われたことがきっかけだ。

 

―活動で意識していることは。

 動画や記事を見てくれる人に面白いと思ってもらいたい。自分も伊沢拓司さんをはじめとするQuizKnockのメンバーに憧れたからこそ、「東大に行く」という選択肢が生まれた。発信したコンテンツを見て、「クイズって面白いな」「勉強頑張ってみよう」と思ってくれることが一番の目標。その人の人生に少しでも良い変化や影響を与えられるようなロールモデルになりたい。

 

―QuizKnockでは、クイズを通じて“学びの楽しさ”を発信している。乾さんが考える学びの楽しさとは。

 高校時代の塾の先生の受け売りだが「できないことをできるようにすること」だと思う。勉強だけでなく、スポーツやゲームでも同じ。本を読んだり、上手な人のプレーを見たりして、学ぶことで上達していく過程が達成感や楽しさにつながっている。
 一方で、いきなり何段とびでできるようになるわけではないことが苦しいところでもある。コツコツと積み重ねることが大切で、少しずつレベルアップして、自分が強くなる感覚を楽しめるようになれば受験勉強も頑張れるはず。

 

 

―日本最難関ともいわれる東大に現役で合格。勉強で意識していたことは。

 間違えた問題を大事にしていた。勉強する上で「ゴールである大学合格のためには、試験当日に良い点を取れていないと意味がない」という考えが根底にあった。マークシート形式だと勘で回答しても正解になることがあるが、言い換えれば、本番の試験で不正解になる可能性もあるということ。だから、やみくもに勉強するのではなく、間違えた問題をしっかりと理解し、次に解くときは類題でも解けるようにすることを意識していた。
 「できるようになるためには、何ができないかを知ることが大切」。どこでつまずいたのか、何が足りていなかったのかを考えて、再現性を重視していた。

 

―受験勉強のモチベーションはどのように維持していたか。

 勉強するのがつらいなと思った時には「なんで勉強しているのだろう」と考えるようにしていた。自分の場合は「東大に行きたい」だったが、その理由は何でも良く、例えば「群馬から出るために、東京の大学に行きたい」でも「好きな人と同じ学校に行きたい」でも良い。その理由が強ければ強いほど、勉強も頑張れると思う。

 

―受験生にメッセージを。

 18歳で将来を決めるのはとても難しいことだと思う。自分自身も高校生の頃は将来の姿は漠然としていたし、そもそも選択肢が少なかった。大学でさまざまな人と出会い、知らなかった職業を知って、選択肢が広がった。QuizKnockのメンバーとして活動している今の自分は、高校生の時には想像もできなかった。
 だからこそ、高校時代の選択を無理やり将来に結び付けなくても良いと思う。将来を明確に描けなくても、焦らず「今の自分にできること」を精いっぱい頑張ってほしい。

 

動画内で“クイズ王”の伊沢さん(右)と早押しクイズで戦う乾さん(左)